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ホームページ > 論文/書籍 > 法律考察 > 『会社法(改正草案三次審議稿)』意見募集

『会社法(改正草案三次審議稿)』意見募集

 2023-09-28214
[要約]会社法改正案の第三次審議稿

概 要

中国全人代常務委員会は91日に『会社法(改正草案三次審議稿)』(以下「草案」という)を公表し、930日までパブリックコメントを募集した。

本草案では、主要株主と実質的な支配者に対する規範を強化し、株主の権利保護を強化している。一部の改正点は、大まかに以下の5つである。

(1) 登録資本金の出資引受制度の改善

登録資本金の出資引受制度のもと、出資における期限の利益が設けられている。すなわち、出資の期限が来るまで、株主は出資義務を負わない。しかし、実務上では、株主の出資期限が長すぎることが取引の安全性を損ない、債権者の利益を損なうことがあった。これに対応するため草案では、有限責任会社の株主が引き受けた出資額は、会社設立から5年以内に全額払い込まなければならないと規定している。

(2) 株主の権利保護をさらに強化

草案は現行『会社法』を踏まえ、中小株主が反対株主の株式買取請求権を行使できる場合について、「会社の支配株主が株主の権利を濫用し、会社や他の株主の利益に重大な損害を与えた場合、他の株主は会社に対し、合理的な価格で株式を買い取るよう請求する権利を有する。」と追加した。この規定は、中小株主に対する新たな救済措置を提供するものである。

(3) 会社の民主的管理の規定の改善

従業員を代表する従業員取締役は会社の経営構造でより大きな権限を持ち、会社の「社会的責任」を反映させる。草案は第172項に「従業員代表大会を基本形態とする健全な民主管理制度を構築する」という内容を追加し、会社内での従業員代表大会の地位を確立している。第68条では、従業員が300人以上で監事会を設置していない会社において、取締役会に従業員取締役を設けることが強制的に求められている。また、他の会社では従業員代表を含めることも可能となる。

(4) 支配株主と実質的な支配者に対する規範をさらに強化

実務上、会社の支配株主や実質的な支配者の中には、会社に勤務していないものの、会社の業務を実質的に支配し、会社や他の株主の利益を損なう者が存在する。現行の第21条では、会社の支配株主や実質的な支配者が関連関係を利用して会社の利益を損なう場合の賠償責任についてのみ規定している。草案では第180条に新たに規定を追加し、会社の支配株主や実質的な支配者が会社の取締役として勤務していないが、実際には会社の業務を実行している場合、取締役の誠実義務と注意義務の規定が適用される。これにより、会社や他の株主の合法的な利益を保護するようになる。

(5) 減資は同じ比例で行う

非上場会社の場合、株式の譲渡または反対株主の株式買取請求権に加え、非比例的な減資も株主が会社から退出するための有効な手段となっている。特にバリュエーション調整メカニズム契約(VAM)では、非比例的な減資は投資機構にとってターゲット企業から撤退するための重要な方法の一つである。しかし、現行の『会社法』や前2回の草案と比較すると、本草案の第224条で初めて「会社が登録資本を減少させる場合、株主の出資または持株比率に応じて出資額または株式を減少させなければならない。法律に別の規定がある場合、この限りではない。」という規定を追加している。当該条文は強制規定としており、当該規定と異なる意思の自治が認められていない。たとえ対象となる減資が全株主の一致による合意や会社定款に別段の定めが存在する場合であっても、前述の規定に反する行為は法的リスクを伴う。


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